2012年1月29日日曜日

冬のWonderland


11月に下山をしてから早2ヶ月。その間に石巻のボランティアに行ったり、実家に帰ったり、姫路、山口、長崎、広島、滋賀と友達に会いに走り回っていた。第一目的であった長崎での元日座り込みの参加では被爆者や平和活動家の熱心で優しい輪に入れてもらい、新しい年に向けての新たな意気込みを共有できて、とてもよかった。今年は色々なことがいい方向に向かっていく事を祈って。



今年の冬の大半は沖縄で過ごそうと決めていたのだけれど、野尻大好き!な私にとって冬の野尻をどうしても一度体験したいと思い、一週間ほど野尻仲間のYさんと一緒に行く事にした。今年は例年の倍くらいの積雪だという。冬の野尻は一度様子だけ見に行ったことはあっても、泊まって数日過ごすのは今回が初めて。野尻行きが決まった瞬間から楽しみで気持ちがすっかり高まった。

冬でも東京から3時間半ほどで野尻に着く。雪は信濃町に近づく直前までほとんどなかったにもかかわらず、信濃町周辺になると、景色が激変。高速降りたら道路の両側は真っ白い雪の壁。いつもより狭い道と真っ白な風景。野尻は四季ごと全然違う顔を見せてくれるけど、この純白な景色と山々の神々しさは息が止まるくらいの美しさだった。空気も冷たいけれど、美味しくって、体も精神もスッキリする感じ。車を下りた瞬間から、来てよかった〜と感動した。
しかし、すっかりテンションが上がっていたにもかかわらず、荷物をもって積りに積もった雪の坂道を登りYさんのキャビンまで歩いていると、さっそく冬の野尻の厳しさを体験した。靴もハイキング用しかなかったから、まったく雪の上では歩きにくく、荷物も体も重いから雪にズボズボ埋もれながら登る坂道はいつもの10倍は大変だった。それでもキャビンにたどりついたら、ヒーターがついていなくてもポカポカ。ストーブを付けたらこの冬で一番暖かい気持ちになった。いや、気持ちだけではなく、他では暖まらない室内は野尻では断熱がしっかりしているから、本当に本当、めっちゃ暖かいのだ。外は雪景色で中は暖かい薪ストーブの温もり。これ以上の幸せ空間もなかなかないと思う。

今回必ず叶えたい夢があって、近所の子供たちを集めた。私はかまくらを作ったことがないから、子供たちに協力してもらった。大人の夫婦二人ではなかなか弾けてはしゃげないのを子供たちと一緒ならいくらでもはしゃげるのも嬉しいこと。一日かけて完成したかまくらはなんとか大人2人と子供4人が入れる大きさになった。中にろうそく入れておやつ食べたり、大満足な一日だった。でも、かまくら作りを張り切りすぎて、ほとんどの労働を私ともう一人のHちゃんだけでやったものだから、その夜、ちょっとした地獄が私を襲った。手が痛くて寝れない。経験したことない、手だけの痛み。ひたすらかまくらの中を掘っていた私の手が疲労でジンジンというか、なんとも言葉にできない痛みで寝れない。数時間泣きそうになりながら我慢していたけど、本当に眠れないから、夜中薬箱を探して、シップを貼ったらやっと寝れた。次の日には治っていたけど、無理をしたら痛い思いをする年になったんだなと30歳直前で実感。トホホです。

今年は雪の量が本当にすごいみたいで、私達が離れてからさらに大雪が長野で続いている。雪下ろしは本当に大変で、短期間行く私たちじゃ感じなくっても、そこに住んでいる人達が雪が嫌になるのも分かる。降っている時はふわふわで綺麗でも、雪かきの時は雪は重い。今回地元の知り合いに偶然会ったら、ご主人が雪下ろしの後に倒れて亡くなってしまったと聞いて、ショックを受けた。とても元気で私達よりも全然力と体力を持った、優しくって物知りのとてもいい人だった。今でも信じられないくらいで、奥様が気がかりでしかたがない。雪国で暮らすということの厳しさについて深く考えさせられた。

それでも、今回野尻に行けたことは私にとって幸せで楽しい時間だった。厳しさもあるけど、あの自然の美しさと、そこにいるだけでもらえるパワーは本当にすごいものだと思う。いつか一冬自分のキャビンで引きこもり、冬超えしたいと思う。冬眠には自信があるしね!